高配当株 日特建設。
地味ですが少し保有しています。
その日特建設と同業(地盤改良や法面工事など)の日本基礎技術という銘柄があるのですが、株価が昨年末来上昇基調にあります。
一方で、日特建設は昨年春以降株価はダラダラと下降しており、今年2月の増配発表を受けて少し上昇したものの、日本基礎技術と比べると株価の動きの違いが少し気になったので比較してみました。
日特建設と日本基礎技術の株価
日特建設
(出典:ヤフーファイナンスより)
日本基礎技術
特にここ1年の株価の推移が全然違う。
(尚、株価は数日前のものです)
さぞかし日本基礎の業績や財務状況が良いのかなーと思いましたが…。
日特建設と日本基礎技術の比較。
表面的ではありますが、各項目について簡単に比較してみました。
折角なので、同様の事業を行うライト工業も並べてみます。
正直、日本基礎技術のダメっぷりが目立ちます。自己資本比率は高いですが。
PER 89って…。
なぜこのような状況で株価の動きにこんなに差があるのでしょうか。
日特建設と日本基礎技術の株価の差。
個人的に考えると以下のような要素かなと思います。
- 足元業績。
- 過去の経営破綻。
- 自社株買い。
先に結論を言っておくと、一番大きな要因は「自社株買い」と思います。
ほぼこれが全ての理由と言ってもよいと思いますが、一応項目ごとに簡単に説明しておきます。
足元業績
2022年3月期の業績予想ですが、対前年比で以下の通り。
・日特建設 売上高:前年比2.1%増 営業利益:同16.8%減 経常利益:同17.9%減。
・日本基礎技術 売上高:前年比3.7%減 営業利益:同17.8%増 経常利益:同3.4%増。
足元弱いと株価上がりにくいというのはあると思います。
過去の経営破綻
日特建設は2008年ごろ経営危機に陥っていたようで最終赤字を計上したり、投資ファンドの増資を受けて再建した過去があるようです。
その辺りの記憶がある方には投資しづらい対象かもしれません。
まぁでもちょっと理由としては弱いね。
自社株買い。
日本基礎技術は、2021年11月に以下のようなリリースを行っています。
(出典:自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ より)
発行済株式総数の1割弱が上限になっているので
結構インパクトありますね。
また、それ以降実施実績を発表しています。
- 2021/11/16:40,300株
- 2021/11/18~11/30:160,800株
- 2021/12月:248,800株
- 2022/1月:251,100株
- 2022/2月:232,400株
ここまで、計:933,400株、約定ベースでの購入代金:559,066,400円だそうで。
着実に実施していってます。
また、ここ数年の状況を見てみると。
(出典:IRバンクより)
一方で、日特建設の自社株買いは寂しい限り…。
(出典:IRバンクより)
この自社株買いとそのIRが、日本基礎技術の株価上昇の大きな要因と個人的には捉えています。
時価総額や実施株数からもインパクトが大きかったんだと思います。
ビバ自社株買い。
とはいえ、いずれ株価も業績に収斂していく気はします。
高配当株投資するなら日特建設。
とはいえ、高配当株投資を行う上で、日本基礎技術に投資するという選択肢はありません。
また長期安定的に高配当の恩恵を受けることが高配当株投資の目的ですので、株価が上昇して含み益があることが必ずしも良い点ではありません。
寧ろ株価があまり高くならない方が買い増ししやすい。
地味~に増配してくれる方が好みです(笑)
今回はあまりに株価の動きが違うなぁということで少し確認してみました。
尚、株主への還元方法は自社株買いの方が会社にとっては
負担が少ないと言えます。
配当の場合は一旦出した水準がどうしても意識されます。
減配や増配が途切れるとと大きく受け止められてしまいます。
一方で自社株買いはあくまで臨時的な施策なので、
実施が無かったからと言って ”減自社株買い” とか
言われないですし(笑)
高配当株投資を行う上では正直配当だけで良いですが、会社の財務・資本政策側から鑑みると上手く自社株買いを取り入れていってもらうのは良いことと思います。
尚、当然ですが、この銘柄への投資を推奨するものではありません。投資の判断は自己責任で。また、記載内容や数値は記事投稿時点でのものです。
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