1929 日特建設。
まさか土木関係の会社を取りあげることになるとは思いませんでしたが、意外に興味をそそられたので。
私の仕事で約20年くらい前、日特建設やライト工業、
日本基礎技術の下請企業に関与していたことが
あったのでこの辺りの銘柄自体は知っていましたが、
現在日特建設の配当利回りが高いとは知りませんでした…。
高配当株投資 1929 日特建設の概要
事業内容。
法面工事(山の斜面にコンクリートを施工して、崩れないようにしているの見たことありますよね?)や基礎、地盤改良工事が主な事業です。
土木といっても道路を敷くような所謂一般的な土木工事に対して特殊土木工事行っている会社で、大手です。
環境防災や社会資本の維持修繕に強みのある会社といえます。
会社HP参照ください。
最近の株価は、右肩下がり…(クリックするとヤフーファイナンスさんへとびます)。
主要数値。
2021年10月7日現在 株価:716円、PER:10.2倍 配当利回り:4.1%
(出典:バフェット・コードさんより)
収益状況。
①売上・利益推移
売上高は、直近2021年3月期で679億円。
(出典:IRBANK)
売上に関しては2011年3月期、2012年3月期辺りこそ少し減収していますが、概ね増加傾向。利益も増益傾向にあり、なかなか安定的な業績と言えそうです。
②営業利益率
7.9%(2021年3月期)
なかなか高いと思います。また、営業利益率も徐々に上がってきています。
2012年3月期が3.9%。
そこから概ね右肩上がりに上昇しています。
③ROE
12.6%(2021年3月期)高い水準かと。
ちなみにROAは7.3%。
CF状況
(出典:バフエット・コード)
営業CFが安定していません。
後ほど改めて記載しますが、この点をどう考えるかで高配当株投資の対象として投資するかどうかの判断が分かれそうです。
尚、2016年3月期や2018年3月期の営業CFの△要因は、売掛債権の増加や仕入債務の減少でした。
想像するに3月末前後までの公共工事が多い業種と思いますが、
期末付近の売上計上のタイミングで、売掛金(完成工事未収金)が
多額に計上されることがあるのではないかと思います。
また、翌期に完成がずれ込んだ工事について仕入債務は
その事業年度に計上が先行していることもあるかと思います。
財務状況
①自己資本比率
58.2%(2021年6月時点)。
安心できる水準ですね。
②現預金残高等
2021年6月末時点で、18,537百万円。総資産の約38.8%になります。そして、借入金は短期借入金141百万のみ。
びっくり!
配当状況
直近の配当利回り:4.1%です。2022年3月期は年間29円の配当予想となっています。2021年3月期が36円でしたので減配見込です。
(出典:IRBANK)
減配見込なのは、後述しますが、2022年3月期予想が減益見込だから。。。
PER
私は高配当株でも割高な銘柄は購入しません。
そう意味では高配当割安株投資いうのが正確な表現かもしれません。
さてPERですが、2022年3月期の予想PER:10.2倍。
割安水準かと思います。
その他 高配当株銘柄 日特建設に関する特記事項
①2022年3月期予想
(出典:2021年12月期 第2四半期決算短信)
増収・減益予想。
個人的に営業利益が減少するのは嫌ですね。
当第1四半期も減益です。
一方で、受注は好調。
そして、ご多聞にもれず、収益認識に関する会計基準の影響は若干ある模様。
日特建設に限らず他の会社でもこの基準の影響を受けて、前期以前と業績比較がしにくくなることが予想されます。留意しましょう。
②国土強靭化
国が、国土強靭化を政策としてしっかり取組む前提でいうと国策銘柄といえそうです。
防災や環境に強みのある会社なので、災害対策・復旧といった面でも需要はある会社といえそうです。
③麻生グループ
㈱エーエヌホールディングスという会社が約55%の株式を保有する親会社ですが、更に㈱エーエヌホールディングス親会社は㈱麻生。
言わずと知れた、、、です。
日特建設の取締役にも麻生姓の方(麻生巌氏:麻生セメント株式会社代表取締役社長)いらっしゃいます。
2008年頃に投資ファンド等の増資を受けて経営再建を図ったようで、その後2012年頃に投資ファンドは抜けて㈱エーエヌホールディングスがTOBで日特建設を子会社にしました。
麻生グループだから有利・不利な点があるのかどうかはわかりませんが、
気にする人は気にする点かもしれませんね。
高配当株銘柄 1929 日特建設 総括まとめ
評価できる点は、以下。
- 事業内容が国策(国土強靭化)に沿っている。
- 業績が安定しており緩やかに右肩上がり(2021年3月期までは)、収益性も良い。
- 好財務(現預金保有高、借金ほぼなし、自己資本比率高い)
懸念点としては、2022年3月期業績が減益予想であることと、営業CFの不安定さ。
個人的に営業CFの創出に関しては拘っている部分。
業種として3月を跨ぐ完成工事が多いであろうという
特殊要因はありますが、さて…。
ポートフォリオ業種分散の面や、国策や社会的意義からは、
ツマミたくなるのが正直なトコロです…。
今後の個人的着眼点
- 2022年3月期の進捗。
- まさかとは思いますが、総選挙結果からの「コンクリートから人へ~again~」にならないこと(笑)
それでは、よい1日を!
尚、当然ですが、この銘柄への投資を推奨するものではありません。投資の判断は自己責任で。また、記載内容や数値は記事投稿時点でのものです。
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