今回は少し基礎的な話。
同じ銘柄を何度も売り買いすると平均単価はどう計算するのかということを改めて整理します。
多くの人が特定口座で取引されていると思いますが、この場合平均単価は証券会社が再計算してくれているので、こちら側で気にする必要はありませんが、基本的なことではあるので知っておいた方がよいかと思います。
では~。
結論から言うと、総平均法に準ずる方法。
総平均法に準ずる方法。
いきなり単語が意味不明ですが(笑)
会計や税務周りは独特な言い回しが多いので嫌になりますねー。
以下の例で説明します。
② 後日、A銘柄を@200円で1株購入。
③ さらに後日、A銘柄を@150円で1株売却。
この場合、
①の時点:取得単価は@100円。
②の時点:取得単価は@150円になります。
(100円+200円)÷ 2株 ね。
従って、③の時点では、取得単価150円の株を1株150円で売ったので、売却損益はゼロ。
”当初の100円で買った株を売ったつもりなのに~”というのは認められない!
単価計算には購入手数料も加味される。
上記の例では株式本体価格のみでしたが、実際には証券会社に支払っている購入手数料も取得単価に含まれます。
購入手数料が10円と仮定したら、
①の時点の取得単価は実際には@110円。
②の時点では、(@110+@210)÷2株で160円。
従って、150円で売却してしまうと、売却損が10円となってしまします。
1円未満端数切上げ。
上記のように購入手数料を含めたり、購入単価自体が株数でピッタリ正の数で割り切れなかったりすることが当然あり得ますが、その場合1円未満端数は切上げ処理されます。
平均取得単価は1日単位。
これ結構留意が必要です。
上記の例を以下に変更します。②と③の順を少し変えて同日取引にします。
② 後日、A銘柄を150円で1株売却。
③ 上記②の売却後、同日に A銘柄を200円で1株購入。
総平均法に準ずる方法だと1日単位で平均単価を計算します。
①と③で平均単価を算出して、そのうち1株を②で売却という、実際の時間の流れとは違う取引として捉えられますので留意要です!
従って、②の時点で売却益50円確定~ ではなく、実際には売却損益ゼロ…。
年末も近づくとクロス取引に留意
そろそろクロス取引を検討されている方もいらっしゃると思います。
その年の投資損益がプラスの場合に、含み損を抱えている銘柄を売却・買い戻すことで以下の効果があります。
- 実際の金融資産保有額をほぼ変えずに
- 含み損実現部分の税金を取り戻し
- 含み損銘柄の取得価格を切り下げる
これを1日中にやってしまうと、同日取引なので最後の買い戻し単価も考慮されて売却損益が計算されます。
従って、クロス取引をする場合は売買を2日に分けて行う必要があります。
なので、翌日に想定以上に株価が動いてしまったり、取引高が少ない銘柄だとそもそも売買間の価格乖離が大きかったりして思惑通りにいかない時もあります。
売買するので当然証券会社への売買手数料もかかります。
あまり細かな含み損についてはムキになってクロス取引しない方がよいかと思います。
それでは、よい1日を!
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