おはようございます☆
もりっこ。です。
「当期純利益」と「親会社株主に帰属する当期純利益」との違いは何かと聞かれることが時々あります。
実は当期純利益の定義変更があったため、以前から決算書を見たことある人の方が戸惑っている感があります。
ちなみに
「親会社株主に帰属する当期純利益」が
出てくるのは連結決算の場合です!
「当期純利益」の定義変更
概要。
2015年4月1日以後開始する連結会計年度から当期純利益の定義が変わったため、以下のように表示が変わりました。
・改正前:「少数株主損益調整前当期純利益」 → 改正後:「当期純利益」
・改正前:「当期純利益」 → 改正後:「親会社株主に帰属する当期純利益」
改正前の連結損益計算書はこんな感じ。
(出典:電源開発平成26年3月期決算短信より)
・「少数株主損益調整前当期純利益」というのは企業グループ全体の純利益。
・そこから少数株主分の損益を控除した残りが「当期純利益」です。
例を挙げて説明してみます。
・連結グループの対象が親会社と子会社1社(親会社の持株割合90%、グループ外持株割合10%)。
・親会社の利益が200円、子会社の利益が100円。
→「少数株主損益調整前当期純利益」:300円(200円+100円)
→「当期純利益」:290円(300円-100円×10%)
改正前の「当期純利益」は、グループ外持株割合分を除いた親会社株主帰属の利益額になっています。
改正後の連結損益計算書はこんな感じ。
(出典:電源開発 令和2年3月期決算短信より)
・「当期純利益」というのは企業グループ全体の純利益。
・そこから少数株主・非支配分の損益を控除した残りが「親会社株主に帰属する当期純利益」。
・連結グループの対象が親会社と子会社1社(親会社の持株割合90%、グループ外持株割合10%)。
・親会社の利益が200円、子会社の利益が100円。
→「当期純利益」:300円(200円+100円)
→「親会社株主に帰属する当期純利益」:290円(300円-100円×10%)
同じ例でも
「当期純利益」の数値が変わった。
改正後の「当期純利益」は、グループ全体の利益額になっています。
以前は
「当期純利益」が親会社株主持分を表示、
現在は企業グループ全体の利益を表す言葉に
変わりました。
尚連結決算ではなく単体決算の場合は少数株主持分という概念がないので、「親会社株主に帰属する当期純利益」はありません。
EPS(連結)も
ついでにEPSにも少し触れておくと、
高配当株投資をしていると
気になる人もいらっしゃるかと。
EPSがわからないと
配当性向もわかりづらいしな。。。
表示の変更前の算出式は、
「当期純利益/親会社の発行済株式数」
でした。
上記の通り算式に登場する文言は変わりましたが、改正前の「当期純利益」と改正後の「親会社株主に帰属する当期純利益」は同じ内容を指すので計算要素や結果は以前と変わりません。
当然ですが指標の連続性あります。
まとめ
・「当期純利益」から少数・非支配株主帰属分の利益を控除。→ 「親会社株主に帰属する当期純利益」
・2015年4月より「当期純利益」の定義変更もあり決算書表示が変更。
・上記は連結決算の場合。単体決算では「親会社株主に帰属する当期純利益」の表示はないよ。
・その他、連結貸借対照表や連結株主資本等変動計算書の表示も変更点あったよ。
・これからも時々表示が変更になると思います。
決算書のみでなく
決算短信や有価証券報告書の
記載項目も時々改正で変わりますよ~。
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