高配当株銘柄のJ-POWER(電源開発)ですが、株価が冴えません。
その理由を少しおさらいしてみました。
J-POWER 電源開発の株価は絶賛低迷中。
直近10年の株価はこんな感じ。
(出典:ヤフーファイナンスさんより)
ここ10年だと2015年頃4,500円くらいの株価でしたが、最近は1,500円前後と約1/3の水準になっています。
一方でEPSの推移を見てみると、
(出典:IRバンクより)
確かに2018年3月期と2021年3月期を比較するとEPSは約1/3になっていますが、上記の株価とは少し時系列が違うようですし、株価が高かった時期(及びその1年前程度)のEPSを見ると1/3は少し株価下げ過ぎな気がします。
私自身は、EPSよりも営業利益(業種によっては経常利益)を重視するので、そちらも過去を見てみると、
なんも、1/3まで株価低迷せんでもいいやんという気がします。
勿論、J-POWER電源開発自体の業績だけではなく、世界の金融相場動向、日本の金融相場動向、最近だと勿論コロナ等の外部状況にも左右されます。
よく言われているのは、
- J-POWERは火力発電所が多く、昨今の世界的な環境問題への取り組みを受けての事業としての不利な面。
- 大間原発建設動向の不透明性。
この辺りから不人気銘柄になっているようです。
この点については、同意しますがもう少しおさらいしてみます。
J-POWER電源開発の事業リスクの確認
会社としての事業リスクの認識
会社自体も開示には結構力を入れていて、HPも見やすくなっています。
初めは有価証券報告書等のリスク記載を紹介しようかと思っていましたが、HPの記載の方がわかりやすいのでそちらで。
会社のHPにはリスクとして以下の記載があります。
- 電気事業制度改革の進展等による当社の料金収入等への影響について
- 地球温暖化問題について
- 海外発電事業をはじめとする国内外での新たな事業への取り組みについて
- 資金調達について
- 大間原子力発電所建設計画について
- 石炭火力発電用燃料について
- 自然災害、不測の事故等について
- 法的規制について
- 業務情報の管理
(出典:会社HP 経営方針リスク要因より)
興味ある方は上記HPで読んでみて下さい。わかりやすくまとめられていると思います。
少し個人的にまとめると、投資家が特に気になるのはやっぱり以下でしょうか。
環境問題の影響。
電源開発は、発電量当たりのCO2排出量が相対的に多い石炭火力発電所を多数有しています。
石炭火力の高効率化・低炭素化に取り組んでいるとはいえ、この側面を重視している投資家は多いと思います。
大間原子力発電所。
追加の安全強化対策工事については2025年後半に終了することを目指しているそうです。
当然稼働はその後。
今も反対運動もあり、追加の工事費もこのHPでは1,300億円と記載がありますが、進捗によっては当然増加することも考えられます。
売電契約締結済なので、稼働の暁には売上が増加するのは間違いないのですが、そもそも完成・稼働するかどうかがよくわからない、不安、と認識している投資家が多いと思います。
電気・電力行政の方向性等業界を取り巻く不確定要素。
今後の電力需要の推移、市場競争の進展、販売先(●●電力等)との協議、設備トラブル、法的規制等。
現実的には電力需要が減ることは、今の所想定できないかなぁ。
災害やテロ、資金調達。
この辺りは、大規模設備投資が必要な事業であればどの会社でも出てくる項目です。
ただ、電源開発の場合は、発電設備(特に原子力発電所が稼働した場合は地震やテロの脅威がより認識されそうです)なのでよりこの部分は意識されそうです。
先日のように北海道と青森の間を中露軍隊が通過するようなら尚更…。国家安全保障として対応すべき問題かもね。
結局の所、環境問題と原発。
まぁ、やっぱり株価低迷の要因は、
なんだと思います。
環境問題に関しては、以下の通り再生可能エネルギー割合が約4割で、更に増やそうとしていることを認識しておくことは重要ですし、
(出典:個人投資家様向け会社説明会 より)
また、石炭についても水素を絡めて、CO2フリーの研究・実証試験を行っていたりします。
他にもカーボンリサイクルへの取り組みも結構行っています。
この辺りを確認すると、石炭火力発電が多いとはいえ、環境問題への対応はある程度可能ではないかと感じることもできるのですが、でもやっぱり大間原発の先行き不透明性については投資家目線ではなかなか解消が難しいと言えます。
個人的にも少し考えてみましたが、原発不透明リスクというか漠然とした不安は解消しきれないです。
足元の業績を鑑みると、必要以上に株価は低迷していて配当利回りを考えても高配当ですし、恐らく中長期的に無くなることはない重要なインフラを提供している会社であり、高配当株投資の対象としては、魅力があり、私自身も高配当株のポートフォリオには入れています。
ただ、ポートフォリオの中でも主要銘柄にはしにくいのも事実。
悩ましい銘柄であることは否めません。
悩む!
それでは、よい1日を!
尚、当然ですが、これら銘柄への投資を推奨するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いします。また、記載内容や数値は記事投稿時点でのものです。
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