高配当株投資を行う上で、重要な指標の1つになります。
例えば、配当性向は”EPSの何割を配当で貰えるか”、という話なので、最重要視されている投資家の方も少なくないと思います。
EPSとは
概要
EPSとは、1株当たりの当期純利益をみる指標です。算定式は以下の通りです。
活用法
EPSですが、その推移を見ることで、会社が成長しているのか、安定しているのかといった状況がよくかります。例えば、IRバンクを活用すると下記のような推移が確認できます。
出典:IRバンク
ちなみに上記はオリックスのものですが、過去推移を並べることで、EPSの成長具合がよくわかるかと思います。
尚、留意点は以下の通りです。
当期純利益ベースであること。
当たり前ですが、当期純利益ベースの指標です。つまり、営業外損益や特別損益を加味した指標になります。一時的な損失も織り込まれますし、災害による損失(すべてが会社の責任ではないはず)も織り込まれた数値になります。良くも悪くも、会社の1年の結果としての最終利益をベースにしていることを忘れないようにしましょう。
利益ベースであること。
上記と少し重複しますが、当期純利益ベースでの指標です。つまり、減価償却費、評価損益や減損損失といった、キャシュフローに関係ない損益も加味された前提での指標であることも理解しておく必要があります。
ちょっと思うこと
個人的には、会社の状況を確認する際は、どちらかというと最終の当期純利益よりも営業利益を重視しています。勿論、会社としての結果は最終利益になりますし、会社法で分配可能額が定められている以上EPS(及びその推移)は重要なことは理解しています。
とはいえ、その会社の事業で稼ぐ力は営業利益を見るのが妥当ですし、正直当期純利益推移よりも営業利益推移が気になります。
1株当たり営業利益、或は1株当たり営業CFなんていう指標も情報サイトにぱっと確認できると、少しうれしい気もしますが、、、。
高配当株投資における配当性向
配当性向とセットで。
高配当株投資の前提であれば、EPS推移と配当性向をセットで確認するとよいと思います。
例えば、1株当たり配当額が増えていた場合に、下記の2通りでは、その年に受取る配当額は同額でも、会社の状況としては全く異なります。
- ”配当性向は一定でEPSが伸長”
- ”配当性向が上昇しているもののEPSは増えていない(或いは減っている)”
言うまでもなく前者のほうが望ましいと思います。
営業外損益以降の状況を確認しておく。
配当性向と絡めて確認することとも関係しますが、EPSが増加していない(或は減っている)にもかかわらず、配当性向が上昇し、配当額が減少していない(或は増加している)ような場合、その配当性向の水準にもよりますが、ちょっと無理して配当しているのでは? と一見感じることがあります。
しつこいですが、あくまでEPSは利益水準の指標です。営業外損益や特別損益に、キャッシュの支払を伴わない損失(評価損、減損損失等)があって、EPSが増加していない(或は減っている)のであれば、配当に必要なキャッシュは減少していないということになります。この辺りの状況も確認できると良いかと思います。
まとめ
-配当性向とあわせて確認。
コメント