おはようございます☆
もりっこ。です。
高配当株 三菱商事。
誰もが知っている高配当株の王様的存在。
いや高配当株目線でなくても日本の株式市場を牽引する代表的な銘柄といえますが、久々にブログに取り上げてみました。
2024年5月2日現在の株価は3,544円、
配当利回りは1.98%。
三菱商事 2024年3月期
経営成績。
(出典:2024年3月期決算短信)
税引前利益:1兆3,625億円 (同 ▲18.9%)
当期利益:1兆248億円 (同 ▲19.4%)
親会社株主に属する当期利益:9,640億円 (同 ▲18.4%)
あらま。
市況に左右されるビジネスの影響が大きいですが、2024年3月期も金属資源事業が豪州原料炭の市況下落による影響が大きかったようです(同事業は当期純利益ベースで約1,438億円の減益)。
(出典:2024年3月期決算短信)
増収増益とか安定的な利益計上の銘柄が本来安心できますが、市況に左右されるビジネスや事業投資ビジネスを手広く行っている場合は、ある程度業績が凹凸するのは避けれません。
そういう特性の銘柄という前提でお付き合いする必要があります。
これだけ稼いでくれたらこの程度の減収減益では
個人的にはあまり気にならない(笑)
そしてセグメントの状況。
(出典:決算説明会資料)
事業ごとに凸凹あるなぁ。
金属資源の落込みが大きい。
また2024年3月期の三菱商事のPLの特性として持分法投資損益が税前利益の1/3程度を占めます。
子会社化していないものの、
それだけ様々な企業に投資していることが伺えます。
これだけ多種多様事業を数多く行っている銘柄については、あまり細かな内容云々しなくてもよいかと思いますし、そもそもそこまで深堀りも困難なんで決算確認も概況大枠で充分かと。
だからあまり他の銘柄と同じようには
ブログにも決算取り上げにくいのかもね。
尚、三菱商事の決算書には営業利益や経常利益という表示はありません。
これは上記の総合商社のビジネスの特性(持分法投資損益が大きい)点もありますが、国際会計基準IFRSを適用していることがまず大きな理由です。
そもそもIFRSでは経常利益という概念もありませんし、
営業利益も日本基準の営業利益とは概念が少し異なります。
たまたま双日の過去のIRページを見つけたので参考に…(読み飛ばしてもらっても構いません)。
・営業利益に相当する表示はあるものの、内容は日本基準の営業利益と同じではない。
IFRSの営業利益相当については会社によっては
「事業利益」とか別の名称を利用している場合もありますが、
三菱商事のPLでは事業特性から(と思いますが)、
そもそも記載がないです。
ただこの営業利益率は元になっている営業利益がそもそも日本基準の概念とは違うので、単純に日本基準の銘柄の営業利益とは比較しづらい点があります。
とはいえ四季報やスクリーニングの表示は
これで出してるのかな。
普段高配当株の選定では営業利益率を重視していますが、
ここまで稼ぐ絶対値が高い総合商社については、
そもそも利益率を気にしていない例外的な銘柄です。
ちなみにIFRSでは「売上高」表示もなく「収益」という表示になります。
財政状態とCF状況。
(出典:2024年3月期決算短信)
ここもざくっと。
ざくっとBS。
(出典:2024年3月期決算短信)
子会社であったローソンの単独支配権喪失見込に伴い、ローソン資産負債に関して流動資産負債へ振替が生じている点と、コマーシャル・ペーパーの発行により有利子負債が増加してるようです。
ローソンについてはKDDIと50%づつの持分になる予定。
CFに関しては、
・営業CF:最終利益の減少や税金の支払増加、運転資本の負担増で前期より約5,827億円減少。
・投資CF:前期と同程度。
・財務CF:主に短期借入債務の増加により前期より約6,804億円増加。
あとこういうスライドもありました↓
セグメント別管理CFデータだそうです。
(出典:決算説明会資料)
「みなし」とついてるけど、
営業CF見合いではいずれの事業も黒字ということかな。
よしよし。
①減収減益。
②市況による影響が大きい。特に金属資源事業(まぁぞういう凸凹ある事業です)。
③ローソン単独支配権はなくなる予定→持分法適用会社へ
来期業績予想
業績予想。
(出典:2024年3月期決算短信)
総合商社は最終利益予想のみ開示が多いです。
2024年3月期と同程度予想やな。
セグメント別最終利益予想~。
(出典:決算説明会資料)
金属資源系は軟調予想ですね。
ローソンの再評価益の影響が結構大きいです。
(出典:決算説明会資料)
「稼ぐ力は着実に伸びている」
はっきり書いてくれると嬉しいぜ。
今期夏以降「基盤固め」「助走」「仕込み」。
各種市況や為替の予想はこんな感じ。
(出典:決算説明会資料)
特にドル円は1ドル143円予想と、現時点からはかなりの円高予想になっています。
日米金融当局の政策次第ですが、現状では2Qくらいまで
会社予想より円安で推移しそうな気もします。
配当予想。
年間100円(2024年3月期から30円増配)。
かなりの増配!!
こりゃ想定外で嬉しい~!
(出典:決算説明会資料)
・配当100円へ。
・配当性向約42%
あと注目は市場期待から配当と自己株式取得のバランスを変更という部分。
より配当(増配)に注力すると読めますので、今後自己株式取得は減少しそうです。
ただ自己株式取得もやらないわけではなく、
CFの状況・余力に合わせて検討はしてくれる模様です。
とはいえ配当性向40%超え。
個人的には配当性向自体は
この辺りで止めておいてもらえればという感覚です。
来期予想と配当一覧にすると以下となります。
(出典:決算説明会資料)
再掲だけど結構ローソンの再評価益の影響が大きい。
三菱商事 気になるトコロ
中経指標状況。
(出典:決算説明会資料)
概ね達成してるね☆
ローソン。
発行済株式の過半数を保有し連結子会社であったローソンについては今後出資比率がKDDIと50%づつとなり単独支配を喪失し、持分法適用会社になる予定。
(出典:2024年3月期決算短信)
KDDIと上手く経営していってくれるといいですね。
スキーム完了後は持分法投資損益として、
ローソンの最終利益×50%の取込予定。
IFRSでは、三菱商事とKDDIは「共同支配事業者」ではなく
「共同支配投資者」としての位置づけなのかな。
そういや、ケンタッキーの噂もあるとかないとか…??
まとめ
・2025年3月期若干減益予想
・大幅増配予想!(但し自己株式取得は減少かな)
・ローソンの経営についてKDDIと協力、50%づつの保有へ(持分法適用会社化)
減収減益決算でしたが個人的に減収減益についてはほとんど気にならない決算でした。
これぐらい稼いでくれていれば
少々の増減は気になりません。
何より増配や~!
そうそう。
高配当株投資を行っていることもあり、総合商社については
極端に言うと株主還元しか気にならないくらいだったりして…(笑)
で、2025年3月期の30円増配はとても嬉しい。
なんか安心して保有できる銘柄の1つです。
難点は配当利回りが低すぎてなかなか買い増しに向かえないトコロ…。
こうなると気が早いですが、
早くも次期の中経内容(特に累進配当の継続)
辺り気になってきたりして。
三菱商事2024年3月期決算でした。
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