おはようございます☆
もりっこ。(@moricco_net)です。
最近では投資している高配当株でも自社株取得を行う銘柄が増えてきました。
この自社株取得ですが、何故株価上昇につながりやすいのかといったことについて改めて整理。
自社株取得が株価上昇につながりやすい理由
自社株取得は株主の分け前が増える。
自社株取得というと「会社が株式を買うから需給関係で株価が上がるのでは」という考え方もあります。
確かに買い注文が入ることで株価上昇に向かう可能性もありますが本質的な理由はそうではありません。
株主の分け前(取り分)が増えるので株価上昇が期待できるという点が本質的なトコロと思います。
簡単に言うと、
100個のパンを20人で分けると1人5個ですが、
人が10人に減ると1人10個に分け前が増えます。
それと同じ。
・当期純利益100万円の会社の発行済株式数が100株 ⇒ EPS:1万円。
・当期純利益100万円のか会社が発行済株式数80株に減ったら ⇒ EPSは1.25万円。
80株の株主は、株を持っているだけで
会社利益を背景とした価値(分け前)が上昇。
株価もそれに合わせて上昇という流れ。
自社株取得の結果、株主の権利を有する株式数が減ります。
一方で会社の利益には何の影響もありません。
そりゃ嬉し!
その他の株価上昇期待も一応。
②割安度が上がるため投資家からの着目度による株価上昇期待。
②について少し書くと、
自社株取得によりEPSが上昇すると、PER(株価/EPS)が低下します。
割安度が上がるため株が買われ易くなる方向ってこと。
一気にそんなに劇的なPER低下にはならないけどね。
重箱隅的な話。
それでも株主にとっては嬉しいわ~。
配当のように保有したままの株主へ入金はありませんが、この辺りが自社株取得も株主還元と言われる理由ですね。
ROEも上がる(これまた一応)。
また、自社株取得をした会社の会計処理ですが、自社株取得は自己資本の△項目として処理されます。
(出典:NTT 2022年度第1四半期決算短信)
すなわち自己資本がその分減少します。
従ってこの部分だけ考えると、収益性・効率性の指標であるROE数値(当期純利益/自己資本)も若干上がる方向に作用。
これも一気に劇的にってわけではないです。
しかも業績順調な会社は、自己株取得よりも当期純利益の増加等で
結局純資産が増加することが多いかな~。
また自社株買いの量が少なすぎたり、それ以前に外部環境によっては当然株価が上昇しないこともあります。
ただ本質的には利益の分け前が増えるわけですから、
株価に反応がなくても株主にとっては良い話。
尚、ある年だけ突発的に自社株取得行うよりも毎年続けて行っていくとより効果が分かりやすいです。
(出典:NTT IRプレゼンテーション)
NTTとかわかりやすい。
ほぼ毎年実施。
留意点というか(更に重箱隅つつき(笑))
本質的に株主にとっては良い話なのですが、一応留意点もありますので記載しておきます。
ほとんど気にする必要のない話ですが一応。
自己資本が減少する。
上記の通り自社株買いは自己資本の△なので自己資本が減少します。
ROEのような指標は良くなる一方で、自己資本比率は低下します。
まぁこれも通常は若干程度。
しかも例えば、
「(自社株購入額+配当)<利益剰余金の増加(多くは当期純利益)」
であれば、減少することはないです。
キャッシュ・アウトする。
その会社にとっては株式を購入することになるのでキャッシュ・アウトが生じます。
キャッシュに不安のある会社はそもそも自社株買いはしないと思いますが、例えばキャッシュ・フロー計算書上は配当金の支払と同様△項目になります。
また当然ですが、設備の購入や研究費といった事業拡大にその分のキャッシュは使えなくなります。
とはいえ、この辺りは自社株取得をする会社は
しっかり資金状況検討して行うはなので
心配いらないかと。
まとめ
株主還元として歓迎される或は株価上昇が期待できる理由は、、、
・受給の改善も期待できる。
・指標が良くなる方向への作用(理論的には)。
自社株取得は配当と並んで株主還元に積極的かどうかの
判断材料にもなります。
過去数年の履歴なんかも確認してみるといいですね。
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