
おはようございます☆
もりっこ。(@moricco_net)です。
前回、株主側から見た自社株取得の嬉しい点を確認しました。
この自社株取得、株主だけでなく実施する企業側にもメリットがあります。
自社株買いをする会社側のメリット
株主への還元ができる。
投資家へのアピール。
上記の株主還元を実施している点の他にも、”自社株買いをする”というニュース自体が目を引く場合もありますし、このような指標が向上することで投資家に対して自社をアピールすることも理論的には可能です。

”株主還元に積極的な会社”というアピールも
可能ですね。
但し、指標面については前回書いたように1回の自社株取得だけではその効果は軽微であり、ROEに関してはその他の要因(当期純利益等)で自己資本が増加すればその効果はなくなります。

あくまである程度継続的に自社株取得を続けることで
長い目で見て効果が表れるような部分かな。
自社株の利用。
例えば、、、
- 役員・従業員等に新株予約権(ストック・オプションの方が馴染みがあるかも)を付与している場合に、その権利行使による株式を渡す際、株式を新規発行せず自社株買いして保有していた自己株式を渡すことが可能です。
- 「コーポレートガバナンスコード」の影響もあり、ここ10年程度で多く採用されるようになった役員や執行役員への報酬制度「譲渡制限付株式報酬」にも利用可能。

取得した自己株式の有効利用やな。

他にもM&Aの対価として利用されることもあるよ。
敵対的買収への対応。
・権利のある発行済株式数が減少することで、経営権を持っている側や安定株主の保有割合も上昇します。
これら4つが一般的に語られやすい自社株取得の会社側メリットかと思います。

更に重要な点があります。
自社株取得が必然?となることもある
財務面でのメリット。
一般的に、株主還元に積極的な会社は自社株取得に積極的と言われます。

これは、「純粋に株主の為を思って」だけではなく、
財務的にも会社のメリットに合致することがあります。
尚、この会社自体は高配当株であり配当利回りは4%程度とし、特に目先キャッシュの必要な設備投資や事業投資はないとします。
この余裕資金を、、、
・取引銀行の定期預金に預けると貰える金利:0.01%~0.1%(?)
・取引銀行からの借入金を返済したら節約できる支払金利は:1%~2%(?)。
この場合、定期預金に預けるよりも借入金の繰上返済するよりも、自社株取得をして配当金として外部流出する資金を減らすことが財務面では有効と考えることが出来そうです。
しかも上記の例でもわかる通り、高配当株銘柄であればあるほどその傾向が出やすいといえそうです。

「この会社株主の為に頑張ってくれてるー、ありがとー!!」じゃなく、
「単にウチの会社に一番メリットあるんで。」ってことか!?

株主還元のことを全く考えずに、自社株取得している会社は
あまりないと思うよ。

win-winということで良しとしましょう(笑)
継続性でのメリット。
もう1つ。
配当は安定配当、もっと言えば増配が期待されがちです。
連続増配で有名な銘柄が増配ストップしたり或いは減配を行うとセンセーションに捉えられる傾向があります。

株価も下がる。

個人的には「減配あっても良いので無理なく」
でいいとは思うのですが…。
この点、自社株取得には「増自社株買い」とか「減自社株買い」或は「安定自社株買い」って概念はなさそうです。
要は会社からみても、自社株取得額が減る年があろうが実施しない年があろうが、あまりネガティブな受け取り方をされず、実施した時だけ感謝されるという素敵な制度(笑)になってます。
(出典:NTT IRプレゼンテーション)
NTTも最近では毎年実施していますが、それでも実施額はマチマチです。

それでもポジティブに受け止めてるで。
この面からも株主還元の手法としては、高配当の実施1本よりも、、、
として2階建てで行う方が、会社にとっても負担は少なそうです。

自社株取得を行うことでその自己株式分の
配当金は出さなくて良いしね。
まとめ
自社株取得の実施会社側からのメリット
・そもそそも株主還元ができる。
・アピールや、取得後の自己株式を資本政策に利用可能。或は敵対買収防衛効果も。

自社株取得は会社も投資家もお互いメリットありそう。
資金負担は要るけどね…。
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