初めての四半期(4-6月)赤字や減配を発表したキヤノンについて、個人的な雑感を書いておきます。様々な数値情報や分析はいろんな方が紹介して下さっているので、いつものデータ重視の個別銘柄紹介ではなく、メモ形式です。
悪化の一途の収益性
2020年1月~6月の決算概略
・売上 1兆4,556億円(前年同期比 △17.8%)
・営業利益 151億円(同 △81.9%)
・営業利益率 1.0%(前年 4.7%)
・当期利益 272億円(前年同期比 △71.9%)
ボロボロです。しかも前年自体も一昨年よりかなり悪化していてたのですが、今回のコロナに追討ちされてる感じですね。
但し、コロナの影響がなくても、ここ数年の傾向としては収益性は徐々に悪化している感は否めません。
また、コロナ影響下での利益計上は悪くないのかもしれませんが、とはいえ、営業利益率5%以下だと優良企業とは最早言えません。
2020年12月決算予想
また変更になるかもしれませんが、現時点では以下の通り。
・売上 3憶800億円(前年比 △14.3%)
・営業利益 450億円(同 △74.2%)
・当期純利益 700億円(同 △64.2%)
・配当予想 中間40円、期末未定 (前年 中間80円 期末80円)
売上の減少は仕方ないですが、売上の減少に比べ利益の減少度合いが高い気がします。コロナ云々の前に、構造的な利益率の低下が背景にあるのではないでしょうか。
踏み止まる財務状況
一方で、自己資本比率や現預金残高といった財務健全性は悪化していません。四半期では初の赤字とはいえ、1-6月累計では黒字ですし、営業CFが前年同期よりも改善して、1,408億の増加になっており、期末現金も増加しています。

営業CFの増減、現預金の増減状況は継続要checkですね。
各事業セグメントについて
各セグメントの収益状況
・オフィス(オフィス向けプリンターや複合機) 売上△19.8%
・イメージングシステム(デジカメ、インクジェットプリンター) 売上△23.0%
・メディカルシステム(CT、MRI装置) 売上△3.1%
・産業機器その他(半導体露光装置等) 売上△16.4%
記載していませんが、全て営業利益率が5%程度以下と、すべてのセグメントの利益率もそんなに高くないので、なかなか厳しい状況。
その中でもいろいろ言われているようにカメラはかなり厳しいです。
個人的にはレーザープリンターの製品品質は高く評価してますし、実際に利用しています。そういう意味では応援したい企業ではあるんですが、現時点2020/8/3の株価を基にするとPER40倍以上なので、個人的には新規投資対象外銘柄です。とはいえ、高配当株投資では基本ホールド前提なのですが(配当はまだ出してくれそうですし)、コロナ状況も見つつ継続ウォッチですかね。

期末配当は20円で年間60円前後が限度かな、と個人的には予想しています。年間業績予想を見る限り、期末20円も当期利益だけから見ると相当厳しいですが、、、「無配」は避けそうな社風かと。
コメント