高配当株セブン銀行が発表している中期経営計画について、ざっと気になる点を。
セブン銀行の2021年3月期決算については、前回の記事をよかったらどうぞ。
中期経営計画
収益拡大最優先!
個人的に重要と思ったのは、ココ。
(出典:中期経営計画 より)
中期経営計画において経常収益は年平均5%成長で最終年に1,700億円に到達することを目標とする一方で、経常利益は350億円(経常利益率は約20%)と、5年後にも関わらず2020年度の実績を下回る目標となっています。
通常5年後は利益も成長する目標を掲げることが多いと思うので、
ある意味ちょっと斬新かも…。
存在意義とかサステナビリティ、デジタル化といった
経営の考え方も重要なのは理解していますが、
ひとまず数字部分が気になりますもんで。
「本決算説明会の書き起こし」なんかも併せて見てみると、以下のような収益状況を目指しているようです。
- 従来のATM事業は減少傾向とはいえ、1,000億円の収益規模は維持したい。
- 国内金融事業を250億円程度まで増やしたい(現時点では100億円)。
- 海外事業を、400~450億円程度まで増やしたい(現時点では250億円)。
合計で約1,700億円前後ということですね。
また以下のように述べられています。
どちらかと言いますと、中期経営計画期間は事業分野の拡大、収益の拡大を重視した経営を進めていくことになりますので、利益率、効率面ではやや下振れる期間もあると思います。しかし、ROEについては、8パーセント以上をしっかりと堅持できるかたちで効率的な経営を行っていきたいと思います。
出典:「本決算説明会の書き起こし」
ともかく既存ATM事業の減収減益をある程度のラインで止めて、その他の事業を育てる5年間にしたい!!
ということのようです。
ATMの入れ替えや海外事業等の投資も5年間で
約1,500億円(過去5年間が1,000億円)行うようです。
株主還元
ここも見ておきましょう。
一応高配当株投資だし。
ポイントは、
- 配当性向40%以上維持+実額も配慮
- 配当中心
”安定的・継続的な””実額も配慮”という文言もあるので、やはり減配はあまりしたくないのが見て取れます。
また自己株取得については現時点では想定されていない模様。
高配当株セブン銀行 投資の考え方。
状況を整理すると、
- 減益傾向。5年後の計画でも2020年と比べると減益見込。
- 海外や金融事業といった新しいサービスでの収益拡大を模索。
一方で、
- 減益といっても、経常利益率約20%は確保。
- 配当利回りは2021年5月19日時点で、約4.6%と充分。
- ATMはインフラとしての価値はあると思う(←個人的な感想なんで無視してもらって構いません(笑))。
以上を鑑みると個人的には下記のように感じています。
・キャピタルゲインを期待するなら長期目線。
・高配当株投資はそのまま継続で良いと思う。
・減益傾向とはいえ既存ATM事業の収益が1,000億円程度で下止まる前提を納得できるなら、追加投資の検討もアリと思う(他の銘柄との優先順位の問題はあるけど)。
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