今回は偶然見つけた銘柄の確認をしてみました。
4595ミズホメディー です。
2022年4月1日時点の配当利回りは5.1%。
配当利回りは高いけど、一見すると高配当株投資の対象とはなりにくい銘柄かもしれません。
高配当株候補銘柄 4595 ミズホメディーの概要
事業内容
対外診断用医薬品の開発・製造・販売を行っています。
少し前まではインフルエンザの診断商品が有名でしたが、現在は新型コロナの診断商品の方が有名になりました。
その他にもいろんな感染症や妊娠検査関係等幅広くラインナップがあるようです。
(出典:会社HP 製本情報 より)
このページに販売製品の一覧が掲載されており、商品のイメージがすごくしやすいと思います。
尚、最近の株価は、乱高下しております。。。
(出典:ヤフーファインスより 2022年4月4日時点株価)
理由はわかりやすく、2020年12期は新型コロナウイルスの影響で主力インフルサンザ関連商品の売上が落ち込みました。
その後新型コロナウイルス関連商品の販売し売上爆上に伴い株価も上昇、デルタ株の増加や沈静化に伴い株価も上下、といったところでしょうか。
主要数値
2022年4月1日現在 株価:2,009円、PER:5.9倍 配当利回り:5.1%
(出典:バフェット・コードさんより)
もう見ての通り、2021年12月期だけぶっ飛んでる!
収益状況
①売上・利益推移
売上高は、2021年12月実績で13,137百万円。
(出典:IRBANK)
売上も利益も2019年12月期までは着実安定的に積み上げてきてたのですが、新型コロナの影響を受けその後は大きく変動するようになっています。
2021年12月期のPL概要
(出典:2021年12月期 決算補足説明資料 より)
大幅増収増益。
2020年12月期の商品市場別の売上情報です。
(出典:2021年12月期 決算補足説明資料 より)
明らかにインフルエンザ関連商品から新型コロナウイルス関連商品へ主力商品が変わりました。
②営業利益率
51.0%(2021年12月期)
意味不明。
ただ、2021年12月期の営業利益率を以てミズホメディーの営業利益率の水準と捉えるのは危険と思います。
以下も合わせて確認しておく必要があります。
- 2022年12月期予想営業利益率:46.5%
- 2018年12月期~2019年12月期営業利益率:約18%前後
コロナ前も利益率は高目。
③ROE
60.0%。
意味不明。
こちらも以下を合わせて。
- 2022年12月期予想ROE:40.5%
- 2018年12月期~2019年12月期ROE:約20~30%前後
こちらも新型コロナ前も充分高かったことがうかがい知れます。
CF状況
危ない年もありますが、営業CFは黒字で推移。
ただ、安定しているとは言えません。
財務状況
①自己資本比率
65.8%(2021年12月期)。
高い!
2019年12月期も約59%と高い水準です。
②現預金残高等
2021年12月末時点で4,326百万円。総資産の約35.4%になります。
投資有価証券も加えると総資産の約35.5%。
2021年12月期末において、借入、社債はありません。
但し、2019年12月期の現預金が総資産に占める割合は約6%。
新型コロナウイルス関連商品がかなり売れた為キャッシュが積み上がっていると思います。
従前はそんなにキャッシュリッチではなかったようですし、有利子負債も保有していました。
今後このキャッシュの水準がどの程度になっていくかは注目です。
配当状況
直近の配当利回り:5.1%です(2022年4月1日時点)
2022年12月期は年間102円の配当予想となっています。2021年12月期は155円でしたので減配。
(出典:IRBANK)
2020年12月期を除き、配当性向は概ね30%くらいまでなのでかなり健全といえます。
留意すべき点として、2017年12月期~2020年12月期の配当利回りがかなり低かったことです(この水準だと高配当投資の対象とはなりません)。
PER
私は高配当株でも割高な銘柄は購入しません。そう意味では、高配当割安株投資いうのが正確な表現かもしれません。
PERですが、約5.9倍。
PBRも1倍程度。
良い感じです。
業種にしては割高感はないですね。
その他 高配当株候補銘柄 ミズホメディーに関する特記事項
①2022年12月期予想。
かなり大幅な減収減益予想。
- 営業利益は、前年比約32.5%減。
- 売上高については、2022年12月期より「収益認識に関する会計基準」適用のため、増減率は記載していないようです。従来の会計基準の場合、21.9%減の10,255百万円の売上予想。
今後も新型コロナがなくなるわけではないものの、2021年12月期のような大きな波や商品需要はないと判断している模様です。
そこには異論なし。
ただ、どのくらい感染が或は波があるかどうかは全く未知数です。
恐らく2019年12月期と2021年12月期の実績数値の間のどこかの数値で着地、となると思いますが、どの辺りかはよくわかりません。
業績予測に関して何度か変更がされるつもりで考えておきましょう。
商品市場別
みんなマスクしちゃってるからか、インフル検査の需要は劇的には回復しない見込みです。
②新商品
出します。
詳しいことはわかりませんが、ミズホメディーの検査商品はまだいろんな感染症等に拡張可能な気がします(ここは根拠なく単に感想です、悪しからず)。
③配当方針
配当性向30%目標。
健全で良いと思います。
コロナの状況によって業績がぶれるので、配当予想もぶれると思っておいた方がよいですね。
正直、無理に連続増配とか配当維持とかしなくて良いので、このように業績連動で配当性向目標を設定してもらった方が健全で良い気がしています。
高配当株候補銘柄 4595 ミズホメディー 総括まとめ
評価できる点は、以下。
- 収益力高い(コロナ前でも)。
- 検査商品は対応する感染症等を増やしていくことで、ストックビジネスとしての要素があると思います。医薬品というより高収益のヘルスケア用品に近いイメージ。実際に2019年12月期以前は着実に業績を積み上げていました。
- 現時点においてはキャッシュリッチ。自己資本比率も高く有利子負債なし。
- 配当性向はまだ余裕がある。
- PERも低い。
懸念点としては、
- 来期予測は正直あてにならない。神(コロナ)のみぞ知る。
- 配当予測も正直あてにならない。神(コロナ)のみぞ知る。
- 良いことですがコロナが収束しマスク生活が身について、コロナ関連商品もインフル関連商品も低調というシナリオもないわけではない。
- 営業CFは不安定に見える。
- 株価の動きは激し目。高値で掴まないように。
パッと見は短期売買されるような(実際されていると思う)銘柄ですが、良く見ると高配当株投資銘柄にもなり得る要素もあるかな、と思っています。
ただ、高配当株投資銘柄として優先的に採用できるかと言われれば、正直NOかな。
また、2022年12月期以降、2019年12月期と2021年12月期の実績の間でどのくらいに落ち着くかがポイントですが、まさしく神のみぞ知る領域かもしれません(笑)
今後の個人的着眼点
- 2022年12月期の実績数値、というかまずコロナ動向。
- 中期目線ですが、コロナがある程度小康化した時点での収益・利益状況、キャッシュ残高、配当利回り。言い換えると、世の中がある程度平常になった際の会社の状況。
興味が湧いたら研究してみて下さいね~。
尚、当然ですが、この銘柄への投資を推奨するものではありません。投資の判断は自己責任で。また、記載内容や数値は記事投稿時点でのものです。
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