高配当株投資を実践する理由について私なりの考え方をまとめておきます。
そもそも投資の必要性。
現在では投資は必須と考えています。
高齢化社会で平均寿命は延びています。
リタイア後の時間は増えていますが老後が心配ならないくらい稼げている人はほんの一握りで、給与額も高度成長期のように上がることもありません。
我々は、”お金に働いてもらう”ことが必要な時代に住んでいると思います。
勿論、貯金も投資の1つの方法なのですが低金利で実際お金は増えませんし、今後しばらく金利が上がることも想定しづらいと思っています。
貯蓄性の生命保険もありますが、他人の安くない手数料を支払っている以上効率が悪いです(そもそも手数料いくらかわからない…)。
投資と保険は分けて考えるべきで、
生命保険は最低限必要な補償のみで掛け捨てで極力入らない。
その為、リスクは増えますが、株式や投資信託に投資することを考える必要があり、その中で比較的リスクを抑えある程度どんな人にも再現性があるのではないかということで高配当株投資を挙げています。
例えば簡単なシュミレーションです。
単位は万円で、利回り分増加するのは年1回、税金考慮無し、全額再投資のかなり簡便的なモデルです。
毎年、配当利回り3%と4%の株式に30万円投資を30年続けた場合
投資額 | 利回り:3% | 資産累計 | 利回り:4% | 資産累計 | |
---|---|---|---|---|---|
1年目 | 30 | 30 | 30 | ||
2年目 | 30 | 0.90 | 61 | 1.20 | 61 |
3年目 | 30 | 1.83 | 93 | 2.45 | 94 |
4年目 | 30 | 2.78 | 126 | 3.75 | 127 |
5年目 | 30 | 3.77 | 159 | 5.10 | 162 |
6年目 | 30 | 4.78 | 194 | 6.50 | 199 |
7年目 | 30 | 5.82 | 230 | 7.96 | 237 |
8年目 | 30 | 6.90 | 267 | 9.48 | 276 |
9年目 | 30 | 8.00 | 305 | 11.06 | 317 |
10年目 | 30 | 9.14 | 344 | 12.70 | 360 |
11年目 | 30 | 10.32 | 384 | 14.41 | 405 |
12年目 | 30 | 11.53 | 426 | 16.18 | 451 |
13年目 | 30 | 12.77 | 469 | 18.03 | 499 |
14年目 | 30 | 14.06 | 513 | 19.95 | 549 |
15年目 | 30 | 15.38 | 558 | 21.95 | 601 |
16年目 | 30 | 16.74 | 605 | 24.03 | 655 |
17年目 | 30 | 18.14 | 653 | 26.19 | 711 |
18年目 | 30 | 19.59 | 702 | 28.44 | 769 |
19年目 | 30 | 21.07 | 754 | 30.77 | 830 |
20年目 | 30 | 22.61 | 806 | 33.21 | 893 |
21年目 | 30 | 24.18 | 860 | 35.73 | 959 |
22年目 | 30 | 25.81 | 916 | 38.36 | 1,027 |
23年目 | 30 | 27.48 | 974 | 41.10 | 1,099 |
24年目 | 30 | 29.21 | 1,033 | 43.94 | 1,172 |
25年目 | 30 | 30.98 | 1,094 | 46.90 | 1,249 |
26年目 | 30 | 32.81 | 1,157 | 49.98 | 1,329 |
27年目 | 30 | 34.70 | 1,221 | 53.17 | 1,413 |
28年目 | 30 | 36.64 | 1,288 | 56.50 | 1,499 |
29年目 | 30 | 38.64 | 1,357 | 59.96 | 1,589 |
30年目 | 30 | 40.70 | 1,427 | 63.56 | 1,683 |
計 | 900 | 527 | 783 |
投資元本累計900万円に対して3%の利回りだと資産合計は1,427万円、4%だと1,683万円になります。
かなり簡便的なモデルですし、投資元本である株式の値上り・値下りは考慮していませんが、利回りと複利の効果が実感できると思います。
これをもう少し頑張って利回り3%と4%の株式に40万円投資を30年続けた場合だとどうなるかというと、
30年後の投資元本累計1,200万に対して、資産合計は利回り3%:1,903万円、利回り4%:2,203万円になります。
あとは各々の状況によって、例えば既に貯金がある程度あったり企業年金や確定拠出型年金等の加入している方は高配当株への投資額を減らしたり配当を再投資せずに生活費や趣味に都度使用するとか。
いやいや年間50万円高配当株へ投資するとか。
バリーエーションは様々ですが、かなり有力な資産運用法かと思います。
最も効率的な投資方法ではないことも理解する。
とはいえ、高配当株投資は資産を増加させるに最も効率的な投資方法ではありません。
現物取引でもグロース株投資或は信用取引やFX等の証拠金取引の方が上手くいけば資産増加スピードは速いです。
ただ一方で資産が減少するリスクも高くなっていきます。
またこれらのリスクの高くなる投資方法に比べ、資産が減るリスクはより抑えつつある程度の資産増加が見込めるという観点からは、
高配当株投資のように個別銘柄を選ぶ投資をアクティブ投資と言いますが、アクティブ投資はインデックス投資に勝てないことは投資の常識にようです。
私もこの観点からは信頼できるインデックスファンド2本くらいにひたすら資金を投下するというのが、我々一般人がある程度リスクを抑えつつも資産増加が図れる一番良い方法と思っています。
理論的には。
そう、理論的には。
それでも高配当株投資を実践・或は勧める理由。
では、なぜインデックスファンドへの投資ではなく高配当株投資を実践しているのかというと、
理由は2つ。
-②知的好奇心を満たしてくれる。
①資産は取り崩したくない。
精神的な面ですがどんな資産家でも”資産を取り崩す”ということにストレスを感じることが多いようです。
外から見たら”そんなに使いきれんやん!”と突っ込みたくなるような資産家でもそういうもののようです。
元々人間は心理的に”お金が減る”ことにはアレルギーを示すことが多いですし、自分がいつまで生きるか(=つまりいくら使って良いか)がわからない状況で、資産が目減りしていくのは大きなストレス・不安ということです。
例えば、考えてみてください。
・退職時2,000万円貯金がありました。
・70歳になったら1,000万円になりました。
・”平均寿命までは1,000万円あればセーフだよ” って言われて安心できるかどうか?
上記のような10年単位でなくても、”今月20万貯金取崩したなぁ…” とか考えながらの生活は、、、
なんかちょっと嫌かも。
勿論心理的にストレス抱えつつも使い切れないほどの貯金ができてる人はそれでいいかもしれません。
またインデックスファンドに関しては、老後に年一定額或は定率で取崩していくと資金が底を尽くことはないという方法も理論的には確立されています。
でもそれで安心できる人ばかりではないと思うな。
この点高配当株投資の場合、元本は取り崩さず配当収入だけを将来の生活費に充てる、或は将来でなくても今の生活費・趣味の一部に充てるということができれば、上記のストレス・不安から解放されます。
そして元本である株自体はそのまま次の世代に残してあげても良いと思います。
多分明るく老後を生活できますよ。
税理士の立場からも、すぐ換金できる上場株式を
相続財産とすることは悪いことではないと思います。
②知的好奇心
個別株への投資は面白い。
これには抗えません(笑)
軽い趣味としてもよいかと。
以上のように結局のところ、精神的な面を重視して高配当株投資を実践しているということになりますが、精神的な要素は数値化できないものの非常に大きな要素と思っています。
一方でこの精神的な部分を超越できる人は、粛々とインデックスファンドに投資していると思います。
FIREを目指す方とかはそんな方が多いかもしれませんね。
それが早いんですけどねって解ってはいるのですが…。
インデックス・ファンドへの積立もアリ。
重ねてですが良質なインデックス・ファンドへの投資が、理論的には我々一般人がある程度リスクを抑えつつも資産増加が図れる一番良い方法です。
従って高配当株投資を行うにしても、
何故ならリスクを抑えた運用であることの他にも、最大のコスト要因である税金が掛からない或は相当な税恩恵があるからです。
これは資産形成にはとても大きいです。
例えば、
- 資産形成の1階を確定拠出型年金”iDeCo”(+積立NISA)
- 2階部分を高配当株投資
は、検討に値します。
というか iDeCoはやるべきです!
尚1階部分に積立NISAも行うかどうかは、
毎月の投資に廻せる資金量や一般NISAとの比較等で
個人個人で選ぶのでよいかと思います。
高配当株投資のメリット・デメリット。
メリット
- 元手が多額になくても長期間続けることである程度結果を出すことが可能。
- 割安投資と併用したり、銘柄・業種を分散することで、比較的リスク低減が図りやすい。
- 高配当の銘柄であれば10年程度の保有で元本の1/3~半分程度は回収できたことになり、株価が値下がりしてもそこまで気にならない。
デメリット
- 個別銘柄を選定するということでアクティブ運用には違いない。インデックス運用には敵わないというのが定説。
- 高配当かつ割安という理由が存在することに留意する。人気があまりないということは、成長が見込まれていないとかボラテイリティが高いとか(銘柄選定は大事)。
以上のことから、高配当株投資には単純に配当利回りがよくて割安であれば良いということで飛びつくのではなく、長期に安定的に配当を頂くために銘柄選定(業種バランス含む)が非常に重要になると考えます。