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増配は多分難しい気がする。ENEOSホールディングス。

増配困難 ENEOS 5020 ENEOSホールディングス

ENEOSホールディングス。

先日の決算発表(2023年3月期第1四半期)、かなり良い決算でした。

ただ、2020年3月期から配当は1株22円で今期も増配は予定されていません。
その辺りを。

尚、これら銘柄への投資を推奨するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いします。
また記載内容や数値は記事投稿時点でのものです。
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総株主還元方針


(出典:会社HP

要点は下記。

配当は前年を下回らない。
総還元性向は3カ年累計在庫影響除き当期利益の50%以上。
③2023年3月期については、2021年実績と同じ年間22円を維持。
④取得株式総数3億株又は取得総額1,000億円を上限とする自社株買いを実施。
もりっこ。
もりっこ。

特に②が重要と思います。

尚、「当期利益」が文字通り決算書上の「当期利益」なのか「親会社分当期利益」なのかの記載説明はありませんでしたが、一応ここでは「親会社持分当期利益」の前提で進めます。
ちなみに、ENEOSホールディングスの損益計算書を見る限り、「当期利益」の約90%以上が「親会社持分当期利益」になっているので、捉え方が間違っていても大きな影響はないかと思います。

2023年3月期の還元試算

3か年累計在庫評価除き当期利益。

2021年3月期、2022年3月期及び2023年3月期(予想)の3か年累計在庫評価除き当期利益を試算してみます。

参考資料はコチラ。

(出典:2021年度通期決算説明資料

超概算ですからね!

2021年3月期
当期利益:1,129億円 - 在庫影響387億円 - 非支配分 ⇒ 在庫影響除き親会社当期利益:742億円
2022年3月期 
当期利益:5,790億円 - 在庫影響3,703億円 - 非支配分 ⇒ 在庫影響除き親会社当期利益:1,920億円。
2023年3月期(予想) 
親会社分当期利益:1,700億円 - 在庫影響0億円 ⇒ 在庫影響除き親会社当期利益:1,700億円。

なので、

3カ年累計在庫影響除き当期利益は4,362億円(742億円+1,920億円+1,700億円)。

この50%以上が総還元対象なので、2,181億円以上が株主還元の対象。

あくまでざっくり概算であることに留意ください。
上記算出中の「当期利益」は決算短信から全社分の当期利益を、「非支配分」は決算短信上の ”親会社所有当期純利益/当期純利益” 割合を便宜簡便的に使用しています。

3か年の還元額。


(出典:IRバンク

〇2021年3月期:738億円
〇2022年3月期:707億円
〇2022年3月期の還元見込
・配当:22円×3,211,195,724株(2022年6末自己株除く発行済株数) ⇒ 約706億円
・自己株取得上限 1,000億円

3か年総還元見込:3,151億円
(※自己株分は上限)

かえでさん。
かえでさん。

3カ年累計在庫影響除き当期利益4,362億円から
考えると72%の還元になります。

もりっこ。
もりっこ。

確かに還元方針は50%以上ではあるけど、
これ以上の増配は少々考えにくい気がします。

還元性向。

次に財務諸表上の還元性向を確認してみます。

2023年3月期の配当性向見込は約41%。
(予想配当額706億円÷予想当期利益1,700億円)。

総還元性向見込は約100%。
((予想配当額706億円+自己株上限1,000億円)÷予想当期利益1,700億円)。

かえでさん。
かえでさん。

過去の総還元性向を見ても、
100%はないかなー。


(出典:IRバンク

但し、上記は2023年3月期予想の当期利益が1,700億円のままの前提です。

もりっこ。
もりっこ。

今回第1四半期の当期利益が既に2,213億円でした。
仮に年度の当期利益が8,000億円で着地すれば総還元性向は21%となり、
5,000億円でも34%と現実的な数値になりそうです。

とはいえ、次項を鑑みると…。

2023年3月期第1四半期決算の為替影響について


(出典:第1四半期決算説明資料

以上の通り、決算書上は営業利益3,253億円ですが在庫影響除くと1,172億円となります。

荒波さん
荒波さん

在庫の影響での利益押上効果が
2,081億円もあるんかい!

もりっこ。
もりっこ。

原油価格の上昇や円安で在庫影響は
前期比大幅増加(+1,206億円)だそうです。

かえでさん。
かえでさん。

決算書上の親会社四半期純利益は2,213億円ですが、
在庫影響除くと250億円前後と想像します。

2023年3月期の在庫評価影響除く当期利益予想は1,700億円(在庫影響0円想定なので決算書上の数値と同額)から考えると、進捗率は決して楽観視できる状況ではないといえそうです。

ENEOSホールディングスの増配に期待するか?

個人的には期待しない方が良いと思っています。

もりっこ。
もりっこ。

正確に言うと増配の可能性が全くないわけではないですが、
予測しづらいので過度な期待は禁物というニュアンスも含みます。

かえでさん。
かえでさん。

22円時点でもかなりの配当利回り(2022年8月12日時点:4.3%)なので、
増配はおまけ程度で、ある意味忘れておくくらいってことね。

 

予想というか増配皮算用(笑)の難しさ、増配期待できない理由については以下となります。

そもそも事業の内容から、決算自体が市況(原油や銅価格)や為替に大きく左右され、いわゆるストックビジネスと比較すると先行き読みにくい部類。
荒波さん
荒波さん

「第1四半期進捗率〇%だ、ワーイ!
×4倍で業績上方修正だぜー」
とは単純にいかないってことか。

さらに配当の検討基礎は財務諸表上の当期利益ではなく、在庫影響を除いた当期利益が基礎となることや3か年累計で検討されること。しかも、在庫影響額自体市況や為替に大きく左右される。
かえでさん。
かえでさん。

皮算用するにはイチイチ在庫影響を控除して
計算しないといけないし
決算出るまで影響額読みづらい…。

2023年3月期については、
・上限1,000億円の自己株取得が予定されていて増配余力がある場合でもまずは自己株優先になりそうな点。
・在庫影響除くベースだと通年業績予想進捗率もそこまで高くない点(営業利益で約34%、親会社分当期利益で15%前後?)。
もりっこ。
もりっこ。

予定されているので増配より自己株優先ですよね。
ビジネス自体がブレブレビジネスなので、
増配よりも機動的な自己株取得で還元するというのは
会社にとって望ましい方向かと。

荒波さん
荒波さん

増配を期待しても良いケースがあるとしたら、
在庫影響除いた場合で爆益な場合やなー。

そんなENEOSでした。

もりっこ。
もりっこ。

しつこいですがあくまで個人的な見方です。
間違っている点等あればご容赦ください。

それでは、よい1日を!
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コメント

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