高配当株 日本特殊陶業の2022年3月期第3四半期決算が発表されています。
自動車業界の景気動向を受ける景気敏感株です。
電気自動車へのゲームチェンジの動向によっては中長期的に影響を受けると考えられている銘柄でもあります。
個人的には、そこまで全面的にEV自動車になる近未来は想像しにくいのですが…。さてさて。
高配当株 日本特殊陶業 2022年3月期第3四半期決算
概況
(出典:2022月3期第3四半期決算短信より)
- 売上高:358,333百万円(前年同期比+53.1%)
- 営業利益:54,768百万円(同+53.1%)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益:42,044百万円(同+57.6%)
良い決算です。営業利益率も15.2%と高水準!
セグメント別
相変わらず自動車関連がけん引しています。そして、新規事業はまだまだ卵。
セラミック事業も自動車関連です。
尚、好調に見える自動車関連事業も、世界的な部材の供給にはまだ滞りがあるようです。
2022年3月期 通年予想
業績予想
前四半期につづいて今回も上方修正!!
また、以下のように過去10年程度と比べても、業績の成長を感じられるところは良いですね。
予想通り進捗すれば、コロナ前より好決算になりそうです。
(出典:IRバンク より)
配当予想
年間102円(中間48円、期末54円)に今四半期でも増配見込を発表。
ちなみに前回も増配修正して年96円予想でした。
こちらは前回も掲載しましたが、完全業績連動となっているので、今後の四半期決算の動向によっては、増配もそうですが減配も有り得る点は留意要です。
(2021年3月期決算説明資料より)
自己株購入。
あそうそう。自己株式も取得する発表がありました。
自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ
株主は嬉しいね!
一般的な表現かもしれませんが、同リリースに以下の記載があります。
将来のポートフォリオ転換のM&A原資の選択肢の一つとして自己株式を取得します。取得した自己株式は当面消却せず、中期経営計画期間末までに取得した自己株式を使用しないと判断した際には消却する予定です。
新規事業の開発に関して、M&Aも想定している(案件が具体化しているかは不明で、想定のレベル感はわかりませんが、すくなくともやぶさかではないってことは言えるかと)ことがうかがえます。
ちょっとした気になる点。
CF在庫△増加。
これは引き続きウォッチしたい部分。
CFだけ見ると大きく在庫増加(CF減少)しています。
ただ、前四半期の時点で、既に△19,679百万円だったので、この3か月ではあまり増減はありません。
前回も書きましたが恐らく、以下のような理由で在庫は期首から積みあがっています。
- 需要に応えるため、買える部品、原材料は購入。
- 供給不足の部材もあり、結局上の部材も製品化できない。
想像ですけどね。
本来在庫増加によるCF△はあまり良いことではありませんが、日本特殊陶業の場合は現在購入できない部材が調達できれば、製品化して売却できる(需要は旺盛らしいので)と、勝手に妄想しており、今の所そんなに心配していません。
EV化の流れ。
これだけ業績が好調であっても、数年前から株価が軟調なのは、世界的なEV化の流れに合わない会社と思われているからでしょう。
個人的には少し疑問を持っているところですが、そんなにEVにガラッと変わる近未来は本当に来るのかな~??って感じています。
丁度今朝こんな記事を見つけました。
世界的「EVシフト」大潮流に日本のユーザーが違和感を抱くワケ
(出典:JbPRESSより)
そもそも世界的に電力不足とか言われてますし、EV自体も製造過程や廃棄過程では環境負荷は高い模様。
加えて日本の場合はEV化を推し進めすぎると、多くの自動車関連企業・工場が無くなるかもしれませんね。勿論、日本特殊陶業もその対象にはなり得ます(だから株価は軟調)。
一方で新しい会社も生まれてくるとは思うけどね。
この記事にあるように、全体の3割とかそんなゆるやかな状況で少し時間をかけて広まってくれるのが一番良い気がします。
並行して、現在の内燃機関を利用・応用できるガソリン以外の燃焼エネルギー(水素?アンモニア???)の開発が進むことを、個人的には期待しています。
トヨタがんばれ!
政府も、あまり欧米に乗せられて、無茶な数値目標とか設定すんなよ。
EV化の流れや、そもそもが景気敏感株で業績連動配当で配当も安定しないので、高配当株ポートフォリオの中核にはしづらい銘柄ですが、個人的には少し加えたいと思わせてくれる銘柄であることは変わりません。
3月の本決算も楽しみにしています。
それでは、よい1日を!
尚、当然ですが、これら銘柄への投資を推奨するものではありません。投資の判断は自己責任でお願いします。また、記載内容や数値は記事投稿時点でのものです。
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