おはようございます☆
もりっこ。です。
8929 青山財産ネットワークス
最近Ⅹで時々見かける銘柄です。
少し気になったので確認してみるとなかなか良い銘柄でした。
時価総額は300億程度で12月決算です。
2024年4月12日時点の配当利回りは約3.59%。
8929 青山財産ネットワークス 概要
事業内容。
富裕層(個人投資家、企業オーナー)を対象とした財産運用・保全や事業承継コンサルや、小口不動産商品「ADVANTAGE CLUB」の組成・販売を行っています。
(出典:2023年12月期決算説明資料)
ちなみに、会社概要見ると事業内容は以下の記載になっています。
・財産コンサルティング
・事業承継コンサルティング
・不動産ソリューションコンサルティング
比較的社歴の浅い会社かなと思ったのですが
沿革確認したら、㈱船井財産コンサルタンツからの
社名変更で社歴自体は25年位あります。
しかも個人的な余談ですが、、、
代表は元㈱プロジェストの蓮見先生でした。
(尚現在プロジェストという名称はグループ内の
社労士法人にのみ残っている模様。)
(出典:2023年12月期決算説明資料)
この類の事業には良くあるように全国の会計事務所と連携しているのが特徴の1つ。
また金融機関との連携もあり、更に進めているようです。
蓮見氏自体も公認会計士・税理士で、
上述㈱プロジェストや税理士法人でその分野の出身です。
尚決算書類では、”財産コンサルティング”と”不動産取引”という2つの区分。
(出典:2023年12月期決算説明資料)
決算書上の収益規模としては圧倒的に不動産取引の方が大きいです。
不動産取引はグロス計上となっている点が
1つの要因です。
ちなみに2023年12月期は最高益決算でした。
不動産取引の大部分は「ADVANTAGE CLUB」といって、
不動産特定共同事業法を活用した小口化商品です。
現在の株価と配当利回り。
2024年4月12日現在 株価:1,280円、配当利回り:3.59%
(株価のリンクはヤフーファイナンスへ跳びます)
ここ数年は1,000円~1,300円の間の株価推移です。
収益状況。
①売上・利益推移。
売上高は、2023年12月実績で360億円程度。
(出典:IRBANK)
業績は急拡大しています。
リーマンショック直後は利益は△やけど、
その後は立派。
下記記載のとおり営業利益率自体は10%未満ですが、収益の増加に伴い利益も増加傾向。
②営業利益率。
9.0%(2023年12月期)
数年前は7%台でしたが、直近で9.0%に上昇。
コンサルティングにしては低目です。
ただこの点後述します。
③(参考)ROE、ROA、EPS。
(出典:IRBANK)
ROEは23.2%(2023年12月期)。
かなり高いね!
EPSもコロナ期除き見事に上昇傾向。
利益率が驚くほど高いわけではないのにROEが高いのは、まだ自己資本が少なめ(特に利益剰余金の蓄積)なのが理由かと考えられます。
・全国の会計事務所、金融機関と提携。
・収益利益拡大中、表面的な営業利益率はそこまで高くない。
・ROEかなり高く、EPSも順調に伸長。
CF状況。
(出典:IRBANK)
ここ5期は営業CFは安定して黒字。
2017年12月期の営業CF▲は在庫の増加が要因。
不動産取引をしているとどうしても在庫リスクは気になるトコロですが、、、
(出典:2023年12月期決算説明資料)
上記の通り、不動産取引のほとんどを占める「ADVANTAGE CLUB」については以下の方針です。
・組成前に販売募集終了させる。
・物件仕入と同時に組成・販売し在庫保有しない。
ええやん。
また2012年頃から販売目的の不動産を保有しない方針も相まって、
今後営業CF▲の要因となるほどの多額な在庫CF▲は
生じにくいのかな、と考えています。
財務状況。
①自己資本比率。
40.4%(2023年12月期)。
まずまずやな。
中小株で高配当銘柄探す場合は自己資本比率高い銘柄が好みなのですが、
その観点からはもう少し欲しいかなぁというのが正直なトコロ。
一般には十分な水準ですけどね(笑)
決してここ数年の業績が悪いわけではないのですが、利益剰余金の蓄積がまだあまりされていない点が1つの理由には挙げられそうです。
・2023年12月期の利益剰余金:67.5億(総資産は234.9億円)
・同最終利益:20.6億
・同CF上配当支払額:8.9億円
過去業績悪い時期もあったからね…。
利益剰余金の蓄積は利益水準から見るとまだまだ薄目。
最近の業績の上昇幅が大きいとはいえ、
直近利益3年分しか利益剰余金には蓄積されていません。
②現預金残高等。
2023年12月末時点で146.9億円(総資産の約62.5%)。
有価証券や投資有価証券含むと総資産の約73.2%。
一方で、借入金や社債は81.4億円。
財務的に心配は不要なレベルやな。
CFの所に挙げたスライドの通り、
2年分の人件費と経費分のキャッシュ保有方針です。
③利益剰余金の増加。
(出典:IRBANK)
ここ数年利益剰余金は増加しています。
ただ過去に△の時期もあったため、まだまだ蓄積はこれからといったトコロでしょうか。
利益剰余金の蓄積が進むにつれて今後の還元方針によっては
ROEは少し低下するかもしれません。
配当状況。
直近の配当利回り:3.59%(2024年4月12日時点)
2024年12月期は1株当たり年間46円(前年から5円増配予想)。
(出典:2023年12月期決算説明資料)
素敵や!
(出典:IRBANK)
配当利回りについては過去履歴から見て、あまり4%を超えることはなさそう。
現在の約3.5%~辺りでの投資がチャンスでしょうか。
(出典:2023年12月期決算説明資料)
DOEもしっかり意識してます!
株主資本コスト以上を還元方針。
配当性向はだいたい50%目安。
設備投資のいらない業種なので、これくらいは
出せますね。
・配当利回りは4%を超えることはなさそう。
・DOE意識されてます。配当性向は約50%目安。
PER。
私は高配当株でも割高な銘柄は購入しないのですが、、、
PERは約13.9倍(2024年4月12日時点)。
(PBRは3.2倍程度)
(出典:IRBANK)
ジリジリ低下している感じ。
最近少し注目されてきているはずですが、
おもしろい傾向ですね。
逆に言うと、投資するなら今の内なのかな!?
その他 青山財産ネットワークスに関する特記事項
2024年12月期着地見込。
(出典:2023年12月期決算説明資料)
・営業利益:35億円 (同+7.2%)
・経常利益:34億円 (同+1.2%)
・親会社株主に帰属する当期純利益:22.4億円 (同+8.6%)
増収増益予想。
営業利益率は9.2%予想。
背景としては、、、
富裕層の財産承継、事業承継、財産運用ニーズ拡大中で提携金融機関数も増加中、顧客数・案件の増加から財産コンサルティング収益は前年を大幅に上回る見込であることや、不動産取引に関しても主力商品「ADVANTAGE CLUB」が販売開始後数日で完売状況が続いていて好調。
ただ「ADVANTAGE CLUB」については、厳格に当社の商品基準に合致させる必要があってやみくもに組成するわけではないようで288億円程度(不動産取引全体の売上予想は300億円)の予定。
この辺りの商品基準に関する方針は評価できるな。
なんで上から目線(苦笑)
利益率の話。
部門ごとの過去粗利率は以下の通り。
(出典:2023年12月期決算説明資料)
前述営業利益率の所でコンサルにしては利益率低目と書きました。
上記の通り財産コンサルの方は(粗利益率ですが)
しっかり利幅確保してます。
また一方で以下のようなスライドがあります。
(出典:2023年12月期決算説明資料)
不動産取引に関して会計上、グロス計上(売上と仕入総額計上)していますが、ネット計上(手数料部分のみの売上計上)の方が会社実態を表しているのではないかという考えみたいです。
その場合の直近の粗利率は80%超、
営業利益率は30%超と
かなりの高利益率になるぜ。
通常不動産売買の会計はグロス計上ですが、
当社の場合そのほとんどが「ADVANTAGE CLUB」用途な為、
そういう考え方もできるかなというトコロ。
「ADVANTAGE CLUB」の場合は組成販売まえに募集終了して、物件取得と同時に組成・販売することで在庫を持たず、一種の手数料ビジネスのようなところも現状の運用上はあるということ。
そういう意味ではしっかりとした利益率を
稼いでいるといえそうですね。
人・教育…。
人(従業員)に対する意識高そうです。
(出典:2023年12月期決算説明資料)
ほうほう。
(出典:2023年12月期決算説明資料)
まだまだ人が育っていない、もっと高度なコンサルタントが増えなければ、という認識があるようです。
これはなかなか難しいところかもね。
どの会社でもそうなんだけど、ある程度のことができるようになるまで
育てることはできても、それを超えて、というかなんだろー、
本当に満足できるレベルにはなかなか育たないのが
多くの会社の悩み事としてはあると思う。
で、このスライド。
(出典:2023年12月期決算説明資料)
人間力!
あまり決算説明資料では見ない類のスライドやなー☆
余裕も大切。
知識・経験が高いレベルで有機的に繋がって仕事できるかどうか
という側面もありますが、
もっと根本的に「そこ気づいてよ」「配慮しようよ」
「予測しなかった?」「細部はこだわって」といった、
上手くいえないけどある種センスと片づけられがちな部分は
なかなか大きくなってからは育たない気もします…。
人の教育で悩むのはこの会社だけの話ではないけど、こんなスライドがあったので少し触れてみました(蛇足だったか)。
まぁ人を育てる意欲がある会社ということで、頑張ってもらいましょう!!
8929 青山財産ネットワークス まとめ
〇評価できる点は、
- 業績成長中!(2023年12月期は最高益、2024年12月期も増収増益予想)
- 営業利益率表面上そこまで高くないが、現運用での不動産取引を手数料ビジネスとすればかなり高い。
- ROE高く、EPS伸びている。
- 配当利回りまずまず、DOEも意識。14期連続増配予想。
- 財務安全性は高い部類。
- キャッシュ保有や不動産取引に関する運用方針等、リスク管理しっかりしている。
- 人を育てたい!
〇懸念点としては、
- コンサルという人工(にんく)的事業柄、継続して大きく業績が伸び続けるのは難しいか。
- 業績を大きく伸ばすには、現事業では不動産取引(「ADVANTAGE CLUB」)の組成を増やすことになるが、販売量のみを追求しているわけではない(良い面ともいえる)。
- 利益剰余金の蓄積はこれから。
不動産扱っているのでどうかなと思いましたが、
思ったより良い銘柄ですね。
10銘柄のPFだと優先してまでは持ちませんが、
数十銘柄のPFなら持っといて良いかな。
また取引所業種分類は「不動産業」ですが、実態やその運用方針鑑みると、
一般的な不動産業にある在庫リスクや金利リスク等は少なく、
安心できそうです。
安定的な高配当バリュー株というよりは、
成長銘柄としての評価益も狙えるといった側面もありそうや。
急がなくて良いので、着実成長してください~。
・2024年12月期の業績。
・特に財産コンサルタティングの伸び(収益規模は小さいとはいえ本業、基幹業はこちらかと)。
比較的わかりやすく知りたい情報の載っているIR資料が多いと感じました。
お時間あればHPからいろいろ覗いてみてください。
さすがコンサルですな~☆
もし興味が湧いたら
研究してみて下さいまし。
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