JT(日本たばこ産業)が先週ロシア、ウクライナに関してプレスリリースを出してました。
ロシア市場における現在の状況に関するお知らせ
JT ロシア市場の確認。
JTでは海外たばこ事業がメイン事業となっていますが、その中でもロシア圏は結構大事な市場です。
まだ2021年12月期の有価証券報告書は発表されていないので、第3四半期の四半期報告書の記載からですが、
(出典:四半期報告書より)
海外たばこ事業の売上は、
- 円ベースで、11,269億円。(※ 全体売上:17,661億円。)
- ドルベースで、10,359百万ドル。
海外たばこ事業の地域別
ロシアを含むCISの2021年12月期第3四半期累計の売上収益:2,595億円(2,387百万ドル)。
これは、同時期の海外たばこ売上11,269億円の約23%を占めます。
JTの総売上の約6割が海外売上です。
全体売上の約13~15%がロシアを含むCISカテゴリの売上ということになりそうです。
尚、CISカテゴリには、ロシアだけでなく、ウクライナ、ルーマニア、セルビア、アゼルバイジャン、カザフスタンなどが含まれます。
また、今期は大々的にプロモーションを行う予定だったようで、注力している市場です。
(出典:海外たばこ事業 2021年実績及びたばこ事業 2022年ガイダンス より)
JT お知らせの内容確認。
ロシア
プレスリリースの内容ですが、
(出典:
今の所、
- マーケティング活動停止。プルーム・エックス販売延期。
- ロシア工場は今の所稼働。今後製造停止の可能性あり。
- 現地従業員の雇用は維持する方向。
ウクライナ
社長のコメントとしてですが、同リリースにウクライナの方の状況も少し触れられています。
- ウクライナでの製造は停止中(工場がある模様)
まとめ。
JTのリリースを読んで考えておくことは以下でしょうか。
今でもマーケティング活動や新商品の投入見送りによる売上への影響はありそうですが、今のところは一応平常営業中です。
雇用も維持する方針。
あくまで現地法人が営業活動していると思うので、現地法人自体の営業は粛々とでしょうか。
ただ、長期化するとわかりません。
ルーブルが下落しているので、仮に現地での売上があまり減らなかったとしてもドルベース或は円ベースでは結構影響ある点には留意要ですね。後述しますが、結局配当性向75%の基礎は円ベースの財務諸表なので。。。
あとは海外送金も難しそうなので、親会社へのロイヤリティや原材料仕入の支払、配当なんかがあれば、どうするんでしょうね。
雇用に関する記載はなし。
そりゃそうだ。それどころじゃない。
以上のように足元の業績については(特に長引くと)ネガティブな影響がありそうです。
勿論、他の市場が頑張ってくれるかもしれませんし、全体的な傾向としてドル高円安が進んでいくようであれば、円ベースの決算に関してはポジティブな影響も出てくるかもしれません。
また、JTは配当性向75%の方針をはっきりさせています。
(出典:経営計画2022 より)
無理して、配当維持とかはもうないですね。
でも、世界からタバコがなくなるのは想像できないぜー。
株価予想とか売買推奨などはできませんが、一応今考えたことはこんな感じ。
それでは、よい1日を!
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