おはようございます☆
もりっこ。です。
財務安全性という見地からの指標として定番の自己資本比率。
自己資本比率を確認しているという方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。
でも金融業は総じて自己資本比率が低目な気がするぞー。
今回はその辺りの話を。
自己資本比率、金融業は概ね低目
自己資本比率は高い方が良いと言われます。
なぜなら、返済が必要な負債である借入や社債に頼らず自己資金(資本金や剰余金)で企業経営している方が、より安全な経営という面があるからです。
確かに。
一般的には、自己資本比率40%以上あると安全性が高いと言われています。
オレも高配当株に投資する際は、自己資本比率が高い数値で
あればあるほど投資対象として魅力的に感じるわー。
尚、企業ファイナンスの面からはある程度借金して事業を行った方が
レバレッジが働いて(少ない自己資本でより大きな事業が行える)
効率的という考えもあります。
また、返済は不要とはいえ出資者が期待する収益率(資本コスト)は
借入利率(負債コスト)より高いと言われるので、この辺りを意識
している会社は借入や社債を利用するのに消極的ではありません。
自己資本が厚めだとROEも下がりがちだしね…。
とはいえ個人的に高配当株投資においては、長期間ある程度安定して配当を出し続けてくれる会社に投資したいという観点から、自己資本比率は高い方が良いと思っています。
この辺りは人によって優先順位は異なります。
翻って、金融業の自己資本比率。
高配当株投資で候補にあがりそうな金融業銘柄の直近の自己資本比率は下記です。
- 8316 三井住友フィナンシャルグループ:4.7%
- 8306 三菱UFJフィナンシャルグループ:4.3%
- 8411 みずほフィナンシャルグループ:3.6%
- 8304 あおぞら銀行:6.2%
- 8593 三菱HCキャピタル:13.9%
- 8425 みずほリース:9.2%
- 8424 芙蓉総合リース:12.1%
- 8584 ジャックス:6.0%
低っ!
以上のように自己資本比率は低いです。
しかしながら、自己資本比率が低くても高配当株投資の対象にしないかというとそうではないです。
確かに自己資本比率低くても、”金融だからしょうがない”
って言われるているの聞いたことがあるよー。
金融業の負債の特徴
借金(負債)は仕入みたいなもの!?
金融とは血液のようにお金を経済世界で巡らせる役割ですが、特に銀行業の会社はまさしく右から持ってきたお金にちょっと利息や手数料乗っけて左へ回すのが仕事です。
別に右と左は反対でも良いし、上から下でも良い(笑)
ここに金融(特に銀行業)の特色というか、卸売や小売、製造業やサービス業のような事業と違う点があるのですが、、、
借入金もそうですが、銀行の場合は会社や我々の
預金も負債に計上されます。
言い換えれば、”人のお金で商売している”とか、
”人のお金が仕入的な” とかなるわけね。
・借入を増やしたり、銀行の場合預金を増やしたりする必要。
・銀行預金は預け入れる側にとっては資産だが、銀行にとっては負債。
⇒ 結果として自己資本比率はどうしても低目になるというわけです。
しかも、銀行の預金(銀行にとっては負債)なんて
貸出先がなくても勝手に溜まってるしな…。
借金ないと事業のタネ用意できない・しづらい。
また、世の中には多額の設備投資を行わないと事業できない(しづらい)業種もあります。
その1つにリース業も挙げられます。
貸出するための資産を用意するには当初に資金が必要。
リースというビジネスは貸出して少しづつ資金を回収していくという事業なので、リース事業を行っている会社も自己資本比率が低めになりやすいです。
勿論、金融業といっても徐々に利益が蓄積されていくと
(決算書上は利益剰余金に計上)自己資本は厚くなりますが、
事業を拡大していくにはそれ以上にどんどんお金を
用意する必要があります。
金融業に投資する際の自己資本比率の考え方。
負債がないと事業出来ない・しづらい業種ので、どうしても自己資本比率は他の業種の企業よりは低くなりがちです。
一般的な自己資本比率40%という基準を
そのまま適用するのはナンセンスということやな。
そうそう。
自己資本比率が低いのはある程度仕方ないというスタンス。
その上で、メイン事業は銀行業なのかリース業なのか、
それともオリックス(ちなみに自己資本比率:約22%)のように
金融業以外の事業も手広く行っているのか…。
そして、その銀行業メインの会社群の中で自己資本比率はどうなのか、リース業メインの会社群の中でどうなのか、という見方は投資判断にあってもよいのかなと思います。
グループが大きいと子会社等通じていろんな事業行っているので、
実際にはわかりづらい、比較しづらい場合もありますけどね…。
結局、自己資本比率の数値だけ機械的に見るのではなく、業種や事業内容や同業種比較と合わせての確認をしたほうが良いということになります。
これは他の指標・数値も同じだけどね。
金融の自己資本比率についてでした。
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