おはようございます☆
もりっこ。です。
9795 ステップ。
こちらはある理由で最近配当利回りが高くなってきた銘柄、神奈川地盤の学習塾大手です。
時価総額は300億程度。
9月決算。
2023年9月29日時点の配当利回りは約4.04%。
9795 ステップ 概要
事業内容。
神奈川県(特に中西部が元々の地盤)の学習塾。
中学生向けが主力で売上の約7割程度です。
最近は横浜市や川崎市にも注力しています。
最近の決算短信の記載によればこんな特徴あるようです。
すまん。ちょっと文章多め。
(出典:2023年9月期 第3四半期決算短信)
公立高校の入試に強いようですね。
都立高校に強い学究社の神奈川版ですかね。
ちなみに私立中学受験参入予定はないとのこと。
生徒数も順調に増えている模様。
人気の学習塾という理解で良いのかな。
現在の株価と配当利回り。
2023年9月29日現在 株価:1,734円、配当利回り:4.04%
(株価のリンクはヤフーファイナンスへ跳びます)
株価はここ2年程1,600円から2,000円程度の範囲での動き。
最近の相場の堅調にもかかわらず、株価はある意味伸びていません。
理由は下記にもありますが予想利益の減少。
収益状況。
①売上・利益推移。
売上高は、2022年9月実績で136億円程度。
(出典:IRBANK)
右肩上がりに見えますが、2023年9月期は売上の伸びに比較すると利益が伸びていないようです(理由は後記)。
②営業利益率。
26.8%(2022年9月期)
高いぜ!
ここ10年程度概ね25~27%程度で推移していますが、
コロナの影響もあり2020年9月期は18%弱でした。
上記に書いた通り、2023年9月期の営業利益率は21%程度と下がる予定となっています。
21%でも高いけどね。
2023年5月に「今後の経営方針に関するお知らせ」がリリースされましたが、利益率の低下には以下のような理由があります。
(出典:2023年9月期 第3四半期決算短信)
従業員の待遇向上と教室備品等の整備ね。
充分利益率あるし、いんじゃない。
塾の先生も取り合いかもねー。
生徒の成績にも直結しそうだし。
ちなみに講師の96%は正社員だそうです。
2023年9月期2Qの決算説明資料にもこの辺りの記載があります。
(出典:決算説明会資料)
③(参考)ROE、ROA、EPS。
(出典:IRBANK)
ROEまずまず。
EPSはコロナ時除き伸びています(上記の通り2023年9月期は減少予定)。
後述しますが自己資本比率がかなり高いです。
理由あって現預金溜め込んでいるようです(笑)
そのせいでROE・ROAは高い数値になっていません。
・コロナ時除き業績右肩上がり(但し2023年9月期は理由あって減益予想)。
・営業利益率優秀。
CF状況。
(出典:IRBANK)
・営業CFはしっかり黒字キープ。
ここ数年投資CFの支出が減少しています。
元々神奈川県の中西部に教室出店する際は
自社物件で行っていましたが、
最近の横浜市や川崎市の教室では不動産価格等から
自社物件でなく大きな設備投資は減少。
財務状況。
①自己資本比率。
89.9%(2022年9月期)。
素晴らしい!
②現預金残高等。
2022年9月末時点で93億円(総資産の約33.9%)。
社債や借入、リース債務で4億円程度。
財務安全性は抜群と言って良いかと。
配当状況。
直近の配当利回り:4.04%(2023年9月29日時点)
2023年9月期は1株当たり年間70円(前年より24円増額)
(出典:IRBANK)
2022年9月期までは上記の通り配当利回りも2%台で、
取り立てて高配当株ではありませんでした。
配当性向も30%程度。
それが今期は配当性向50%に!
(出典:決算説明会資料)
上で少し触れた2023年5月の「今後の経営方針に関するお知らせ」によれば、
(出典:「今後の経営方針に関するお知らせ」)
背景以下。
・横浜市や川崎市への教室については自社物件では行わないため、大規模設備投資の予定がない。
この配当性向は今後しばらく継続予定とのこと。
それで最近急に配当利回りが高くなってきたんやな!
・この配当性向はしばらく継続予定。
・背景には目標としていたキャッシュ保有額への到達が見えたことと、大規模設備投資の予定がないこと。
PER。
私は高配当株でも割高な銘柄は購入しないのですが、、、
PERは約12.3倍(2023年9月29日時点)。
(PBRは倍1.1程度)
(出典:IRBANK)
特に割高でも割安でもなさそうですが、買える範囲ですねー。
その他 ステップに関する特記事項
2023年9月期着地見込。
(出典:2023年9月期 第3四半期決算短信)
・営業利益:31.2億円 (同△14.5%)
・経常利益:31.6億円 (同△15.1%)
・当期純利益:23.2億円 (同△9.2%)
増収ですが減益予想。
上に書いた通り人件費の増加や備品類の購入等がしばらく続くようです。
それでも営業利益率は21.5%あるので充分でしょうか。
学究社との棲み分け?
高配当株の学究社(9769)の特徴は都立高校入試の強さ。
HPみてもほとんどの教室が東京都にあります。
一部神奈川にもあるけどな。
今回のステップは神奈川県立高校入試の強さ。
上手く棲み分けできてる気もしますがお隣同士。
その内どちらかの越境・進出なんかもあるのかな~?
2023年9月期の新規開校はこんな感じです。
今のところ他県への進出は考えていないとのQAがありました。
(出典:決算説明会資料)
9795 ステップ まとめ
〇評価できる点は、
- 収益力かなりある。営業利益率も高い。
- 入試実績も良いようで生徒数増えており売上増加傾向。
- 財務健全性はかなり高い。CF状況も良好。
- 配当性向50%へ引上げ。
〇懸念点としては、
- 数年給与水準の引き上げや教室備品類の購入で営業利益が下がる見込。
- 2023年9月期も増収だが減益予想。
- 財務安全性は高い反面資金効率性はイマイチともいえる。
- 他の学習塾大手との棲み分けが今後も保たれるのかどうかはなんとも。
個人的には良い銘柄と感じています。
既に学究社に投資しているのですが、
であればステップも投資対象としても良いと思います。
人件費の引上げ等で利益率がしばらく低下するようですが、それでも利益率高いのでそんなにネガティブな印象は受けません。
また、HPに「ステップQ&A」というページがあります。
私立中学受験参入予定や県外進出は考えていないこと、株主還元方針、少子化対応、利益構造等詳しい説明がありますので、ここは一読した方がよいかと思います。
・2023年9月期の業績動向。
・学究社との棲み分けどうなる?
もし興味が湧いたら
研究してみて下さいまし。
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