自己資本比率について【金融だから高くなくても仕方ないって聞きますが】。

四半期報告書廃止? 投資全般

前回の金融業における営業キャッシュ・フローの留意点に続いて、今回は、自己資本比率について。

スポンサーリンク

自己資本比率は高い方が良いので、金融業は投資対象外?

自己資本比率は高い方が良いと言われます。

高配当株投資であってもそうでなくても、自己資本比率は高い方が良いといわれます。
なぜなら、返済が必要な負債である借入や社債に頼らず自己資金(資本金や剰余金)で会社経営している方が、より安全な経営という面があるからです。
一般的には、自己資本比率40%以上あると安全性が高いと言われています。
私も高配当株に投資する際はより高い数値であればあるほど投資対象として魅力的に映ります。

もりっこ。
もりっこ。

企業ファイナンスの面からは、ある程度借金して事業を行った方が、レバレッジが働いて(少ない自己資本でより大きな事業が行える)効率的という考えがあります。また、返済は不要とはいえ出資者が期待する収益率(企業側からみると資本コスト)は借入利率(負債コスト)より高いといわれます。そんな見方もありますが、高配当株投資の対象としては、長期間ある程度安定して配当を出し続けてくれる会社に投資したいという観点を重視しています。

翻って、金融業の自己資本比率。

高配当株投資でも出てきそうな金融業の会社の直近の自己資本比率は下記です。

  • 三井住友フィナンシャルグループ 4.9%
  • 三菱UFJフィナンシャルグループ 4.7%
  • みずほフィナンシャルグループ  4.1%
  • あおぞら銀行          3.8%
  • 三菱HCキャピタル       13.4%
  • みずほリース          7.7%
  • 芙蓉総合リース         10.2%
  • ジャックス           3.8%
  • イオンフィナンシャルグループ  6.6%
荒波さん
荒波さん

低っ!

以上のように自己資本比率は低いです。しかしながら、営業CFと同様、自己資本比率が低くても高配当株投資の対象にしないかというとそうではありません。

かえでさん。
かえでさん。

自己資本比率低くても、”金融だからしょうがない” って言われるのも聞いたことがあるよー。

借金(負債)が仕入みたいなもの。

結局、これも金融業の特色ですが、卸売や小売、製造業やサービス業のような一般的な企業と違う点は、仕入(製造業やサービス業の場合の外注も含む)が、お金(負債に計上される銀行の場合の預金や借入金)だからです。
金融は、血液のようにお金を経済世界で巡らせる役割がありますが、まさしくその通りで、右から持ってきたお金をちょっと利息や手数料乗っけて左へ回すのが仕事です。

もりっこ。
もりっこ。

言い換えれば、”人のお金で商売している”とか、”人のお金が仕入的な” とかなるわけです。

従って、人のお金を預かる・借りると銀行預金にしろ借入金にしろ、負債に計上されるので、結果として自己資本比率はどうしても低くなるというわけです。

上記の実際の自己資本比率のように、銀行業がメインであれば、負債に預金(一般個人や法人が預けている預金は、銀行側では負債になります)が膨大なので、金融業のなかでも自己資本比率はかなり低い方です。一方で、銀行という名前であっても、所謂銀行業の割合が少ないセブン銀行なんかは自己資本比率約20%くらいです。

借金ないと事業のタネ用意できない・しづらい。

また、世の中には多額の設備投資を行わないと、事業できない(しづらい)業種もあります。
その1つにリース業なんかも挙げられますね。貸出するための資産を用意するには当初に資金が必要で、貸出して少しづつ資金を回収していくという事業なので、リース事業を行っている会社も自己資本比率が、低めになりやすいです。

勿論、金融業といっても、徐々に利益が蓄積されていくと(決算書上は利益剰余金に計上)、自己資本は厚くなっていきますが、とはいえ事業を拡大していくには、どんどんお金を仕入れてくる必要があると言えます。

金融業に投資する際の自己資本比率の考え方。

負債がないと事業出来ない・しづらい業種ので、どうしても、他の業種の企業よりは低くなりがちです。
なので、自己資本比率が低いことがある程度しょうがないというスタンスになるのですが、メイン事業が銀行業なのかリース業なのか、それともオリックス(ちなみに自己資本比率約22%)のように金融業以外の事業も手広く行っているのか、という見方は必要かなと思います。
例えば、その銀行業メインの会社数社の中でどうなのか、リース業メインの会社数社の中でどうなのか、という見方は投資判断にあってもよいのかな、と思います。

もりっこ。
もりっこ。

法人グループが大きいと子会社等通じていろんな事業行っているので、実際にはわかりづらい・比較しづらい面もあるんですけどね…。

尚、金融業に中でも、例えば、アサックスという不動産担保ローンを行っている会社は自己資本比率が約50%もあったりします(なぜかは未確認ですし、私も投資しているわけでも投資対象と勧めているわけではありません)。金融業の中でも自己資本比率が高い会社も中にはあるようです。

それでは、よい1日を!

尚、当然ですが、この銘柄への投資を推奨するものではありません。投資の判断は自己責任で。また、記載内容や数値は記事投稿時点でのものです。

投資全般
スポンサーリンク
高配当株投資、税金やお金を考えるブログ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました